夏はむし歯が増える?気をつけたいおやつと飲み物の話.
2025年08月08日(金)
さて、気温が上がり、花火大会やビーチ、プールなど楽しいイベントが盛りだくさんの季節がやってきましたね。私自身も、暑い日の仕事帰りにはつい冷たいアイスに手が伸びてしまいます。お子さんたちにとっても、夏は特別な飲み物やおやつが増える季節。でもその一方で、『夏はむし歯のリスクが高まる時期』でもあることをご存じですか?
理由は大きく2つあります。
ひとつは、ジュース、アイス、かき氷、スポーツドリンクなど甘いもの・甘い飲み物を口にする機会が増えること。もうひとつは、ダラダラ食べ・ダラダラ飲みになりやすく、口の中が長時間「むし歯をつくりやすい環境」になってしまうことです。
ここで少しだけ専門的なお話をさせてください。
「pH(ピーエイチ)」という言葉、聞いたことはありますか?これは物質が酸性かアルカリ性かを示す数値で、7が中性、それより小さいと酸性になります。実は私たちの歯の表面(エナメル質)は、pH5.5を下回ると溶け始めてしまうと言われています。つまり、酸性の強い飲み物は、むし歯の原因になるのです。
たとえば、お水や牛乳は中性に近くて安心。無糖のお茶やブラックコーヒーも比較的安全です。
でも、オレンジジュースはpH4.0、市販の紅茶(加糖)はpH5.5、そしてコーラはなんとpH2.2と非常に酸性が強く、飲み方に注意が必要な飲み物です。
また、スポーツドリンクも実は多くの糖分と酸を含んでおり、むし歯のリスクが高い飲み物のひとつです。特に部活や運動のあとに何度も口にすることで、お口の中がずっと酸性の状態になりやすくなります。
とはいえ、夏に一切甘いものを避けるというのも、なかなか現実的ではありませんよね。
大切なのは「量」よりも「食べ方」。
以下の3つのポイントを意識するだけでも、お口の健康はずいぶん守られます。
🌟むし歯を防ぐ3つのポイント
① 時間と回数を決めて楽しむ
→「おやつは午後3時だけ」「ジュースは1日1回だけ」などルールを作って、ダラダラ食べを避けましょう。
② 基本の飲み物は水かお茶に
→普段の水分補給は無糖がベスト。ジュースやスポーツドリンクは『特別なとき』に。
③ 食べた後は歯みがき or うがい
→外出先では水でうがいをするだけでもOK!寝る前の歯みがきは忘れずに。
夏は、むし歯になりやすい反面、生活リズムが崩れがちで、歯みがきの習慣が途切れてしまう時期でもあります。
特に就寝前の飲食は、唾液の働きが落ちるため、むし歯のリスクがグンと上がります。夜はお水かお茶にして、寝る前はしっかり歯みがきをしましょう。
かわしまデンタルクリニックでは、お子さんの歯の健康を守るためのアドバイスや定期検診も行っています。
「夏のおやつ、これって大丈夫?」など、気になることがあればいつでもお気軽にご相談くださいね。
おいしく、楽しく、そして健康に!この夏も笑顔いっぱいで過ごせますように。
歯科医師 田中