骨粗鬆症と診断された方へ
2025年05月26日(月)
こんにちは。歯科衛生士の石垣です。
今回は骨粗鬆症と歯科の関連についてお話しします。
骨粗鬆症とは?
古くなった骨と新しく作られる骨の代謝バランスがくずれて、骨が脆くなった状態をいいます。超高齢化社会の日本では1,300万人を超える方が骨粗鬆症とされています。
治療薬としてはビスフォスフォネート製剤、やデノスマブ(抗RANKL抗体)、ビタミン製剤、カルシウム製剤などが主にあげられます。
薬剤関連性顎骨壊死とは?
骨粗鬆症でビスフォスフォネート製剤などを処方されている患者さんは、むし歯や歯周病などにかかると顎骨壊死という病気が発生することがあります。処方されているからといって全ての方に顎骨壊死が起こるわけではありません。
歯科治療を行うにあたって
1)お薬手帳の提示
骨粗鬆症治療薬の中でも顎骨壊死に影響を与えないものもありますが、ご自身で判断せず必ずお薬手帳をお持ちください。注射投与の場合もありますので、注射を受けている方はその旨をお伝えてください。
2)注意すべきこと
①抜歯など外科的に侵襲が及ぶ治療ではよく説明をきいてから進めてください。
②顎骨に侵襲の及ばない歯科治療としては、歯石除去・むし歯治療・義歯作成などがありますが、治療後に粘膜の傷から顎骨壊死が発症することもありますので、定期的に口腔内の検査を受けてください。
③糖尿病等の既往症や、喫煙、飲酒、がん化学療法などがあると、顎骨壊死のリスクが高まります。必ずお伝えいただくようお願いいたします。
薬剤関連性顎骨壊死を防ぐために
骨粗鬆症で服薬されている方は、自己判断で休薬・中止をしないでください。歯科医師が処方した医師と相談の上で判断いたしますのでご協力をお願いします。最新の研究から、休薬などをせずに歯科処置ができる可能性も出てきています。定期的な検診と口腔ケアは顎骨壊死を防ぐ方法のひとつです。ぜひ一度当院にご相談ください。
